民法896条
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
法律には、相続人は被相続人の財産の一切を承継すると書いてあります。
このように相続人は遺産を相続するのが通常ですが、例えば「息子は親不孝者だから相続させるのは嫌だな」という場合に相続させないようにすることができる場合があります。
それが相続廃除です。相続廃除とは、相続人の相続権を剥奪させる制度です。
本来であれば、遺言で特定の相続人に遺言させない旨を遺言書で明記することができますが、法定相続人には、遺留分というものがあり、この遺留分を相続人は請求できることになってしまいます。ですが、相続廃除はこの遺留分までも相続人に渡らないようにするのです。
つまり、相続人の相続権は完全にはく奪されます。このように相続権を完全に奪ってしまう制度ですから、法律にはどのようなときに相続廃除になってしまうのかが厳格に定められています。
廃除の要件
民法892条
遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
廃除事由
- 被相続人に対して虐待もしくは、重大な侮辱を加えた時。
- 推定相続人にその他の著しい非行があったとき。
民法892条は上記2つを廃除事由として定めています。
しかし実際は、推定相続人の遺留分も含めて相続権を剥奪してしまうという制度ですから、廃除はかなり厳しく判断されています。
廃除の手続き
廃除は被相続人が家庭裁判所へ請求することによってすることができます。これを「生前廃除」といいます。
また、遺言書によって廃除をすることもできます。これを「遺言廃除」といいます。
相続廃除と相続欠格の違い
相続欠格と似ている制度として、相続廃除という制度もあります。この2つはいずれも相続権を剥奪させる制度ですが、違う点もあります。
まず相続欠格は、国の制裁という意味合いがありますから、上記の5つに該当してしまうと問答無用で相続権を失います。そこに被相続人の感情は関係ありません。
また、一旦相続欠格になってしまうと取り消しができません。
それに比べて廃除という制度は、廃除の取り消しをすることができます。つまり、「こんなバカ息子に遺産を相続させるのは嫌だ」という感情で廃除をすることもできますし(もちろん単に気に入らないといった理由だけでは廃除が認められるものではありません)、その後の事情で逆に「やっぱり許してあげよう」ということもできるのです。
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相続欠格や相続廃除という制度についてご説明させていただきましたが、相続人に遺産を相続させないという制度ですから、相続トラブルになることもありますので慎重に判断していく必要があります。
もしお困りであれば専門家へ相談することも検討していきましょう。
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