民法1012条
遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他の遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
遺言執行者とは、文字通り遺言を執行する者です。
亡くなった人の代わりに、亡くなった人の意思(遺言)を正確に実現していきます。遺産を遺言書の内容通りに分配していくのです。その為、遺言執行者は遺言の内容を実現するために必要な一切の権限があるのです。つまり、遺言執行者がある場合は、相続人が相続財産についてした遺言に抵触する処分行為は、無効とされますが、善意の第三者に対しては当該処分行為が無効であることを対抗できません。
民法1013条
①遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
②前項の規定に違反した行為は無効とするただしこれをもって善意の第三者に対抗することができない。
③前2項の規定は相続人の債権者が相続財産についてその権利を行使することを妨げない。
また、遺言執行者には原則誰でもなることができますが、未成年者や破産者はなることができません。法人でもなることができます。
民法1009条
未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができない。
遺言執行者の必要性
遺言執行者の選任が必須の場合もあります(認知、廃除、廃除の取消し)が、基本的には遺言執行者は任意です。しかし、亡くなった後に自分の遺産がどのように分配されるのか、遺言は書いたのはいいがちゃんと遺言の内容通りになるのか、死後に遺産をコントロールすることは残念ながら被相続人にはできません。
その為に、遺言執行者をあらかじめ選任していくことで、確実に正確に遺言を執行させることができるようになります。もし、相続人が多数いる場合、遺言執行者がいないとトラブルになってしまう可能性が高いといえるでしょう。相続人同士が財産の売却や隠匿などをしないようにするためにも遺言執行者を選任する意味が多いにあるのです。
遺言の執行には様々な手続きが必要になってくるので手続きが非常に煩雑になりがちですが、遺言執行者を選任することによって、特に相続人が多いときなどは手続きをスムーズに進める事ができ時間短縮にも繋がってきますので、やはりそういった意味でも遺言執行者の必要性が多いにあります。しかし、手続きには専門的な知識が必要になる場合もあります。
また、正確に遺言の執行をするためには多くの時間や手間もかかってしまうことがありますので、遺言執行者の選任は慎重に行いましょう。必要であれば、専門家を遺言執行者にすることも検討していきましょう。
遺言執行者の選定方法
遺言執行者の選び方には、大きく分けて以下の2つの方法があります。
①遺言で遺言執行者を指定
遺言により自分で指定することももちろんできますが、第三者に遺言執行者を指定してもらうように遺言書に書き記すこともできます。遺言執行者に指定された者は、なるかどうかを選ぶことができますが、承諾したときはただちに任務を行う必要があります。拒否されてしまう場合もあるため、事前に指定する人に話をしておくとよいでしょう。
民法1006条
遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。
民法1007条
遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。
②家庭裁判所で遺言執行者を選任
遺言執行者がいない場合などは、利害関係人の請求によって家庭裁判所が選任することがあります。利害関係人とは、相続人や遺言者の債権者、遺贈を受けた者等を指します。
民法1010条
遺言執行者がないとき、又はなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって、これを選任することができる。
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遺言執行者には遺言の内容を実現するために必要な一切の権限があります。
民法1012条1項
遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
つまり、遺言執行者の任務は多岐に渡るのです。
具体的には、遺言の内容通りに遺産を分配することや、相続財産の調査や相続人の調査や預貯金の払い戻し請求、債権者へ債務の弁済、財産目録の作成などなどです。遺産に不動産が含まれている場合は登記申請(あるいは司法書士へ登記申請依頼)をする必要などもでてきます。
このように遺言執行者には、多くのことをする権限があり、それに伴って責任も大きくなってきますので、必要であれば専門家へ相談することも検討していきましょう。
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