ご自身の判断能力はあるが、病気やケガで外出するのが難しい場合等
判断能力はある、しかし、足腰が弱く、外出が難しい、または車椅子がないと生活ができない等判断能力はしっかりとしているが、身体的な衰えや、ケガ等をしている方もいらっしゃいます。
このように自分一人で金融機関の預貯金の管理、役職で印鑑証明書を取得すること等が難しい場合に、ご家族や信頼できる人に財産の管理に関する事務の全部または一部を委託する契約を「財産管理委任契約」といいます。
判断能力が不十分とはいえない場合でも、利用でき、また財産管理の開始時期や内容も自由に決めることができます。
財産管理等委任契約は任意後見契約の備えとして
任意後見契約を作成したから、安心かというと任意後見契約は、本人に判断能力がある場合は契約発効することは出来ません。
そこで、判断能力は十分あるが、身体的に外出が難しい場合に財産管理等委任契約を家族や信頼できる人と事前に契約をしていれば、身体的に外出は難しいが判断能力はある時は、財産管理等委任契約を判断能力が衰えた時は任意後見契約を締結しておく「移行型契約」を非常に多くのご依頼をいただいております。
財産管理委任契約をするメリット
家族の特定の一人に財産管理委任契約を締結した場合は、他の家族に本人から委任を受けた事を書面で示せます。それにより他の家族の同意等は不要で本人の財産を管理できます。
また、委任契約の開始をする時期、内容を自由に決めることができ、財産の一部だけを管理して貰う等も可能です。
財産管理契約は任意後見契約のように公正証書での作成が義務付けられてるものではありません。
しかし、公正証書ですることにより、しかし、私的証書では信用力が低いため、当事務所でご依頼いただいた場合は公正証書を利用しています。
財産管理委任契約のデメリット
任意後見契約は任意後見監督人の選任により効力が発生するため、任意後見人を監督する立場の者が必須です。
しかし財産管理委任契約では財産を管理する者を監督する立場の者はいません。本人に判断能力があるからです。