戸籍
戸籍とは日本国民についてのその身分関係を登録、公証する公簿です。本籍は戸籍を管理する為のもので、本籍と住所は異なるのが原則です。
そのため、戸籍には住所は記載されず、本籍が記載されるのみです。
被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍謄本
相続手続きを始めたら、金融機関や法務局から相続に必要な書類案内等を送付されると必ずと言ってもいいほど、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本が必要と記載されてるはずです。
これは、亡くなった方の死亡の事実を示すのと、亡くなった方の法定相続人を探索する必要からです。そのため、被相続人の出生後戸籍が婚姻や縁組、転籍等により変わってるときは、被相続人の死亡の記載の戸籍のみでは足りず、転籍前の戸籍を全て取り付ける必要があります。これにより相続関係の全てがわかります。
登研(149号)
原則として相続登記の申請書には、相続人の身分を称する書面として、被相続人が15、16歳の時代からの事項の記載がある戸籍および除籍謄本の添付が必要であるとしている。
上記先例は、15歳16歳未満ならば、生殖能力的に子供を懐胎することは無いという考えに基づく先例ですが、登記実務では12、13歳までは必要と言われてます。
また、金融機関によっては出生までの戸籍まで要求してくるところもあります。原則、亡くなった方の戸籍は出生までの戸籍が必要だといえます。
戸籍謄本等の有効期限
不動産名義変更による相続登記についての相続を証する情報として提供する戸籍謄本等については、有効期限の定めはなく、作成後3か月内等の要件はありません。ただし、相続人の現在戸籍については被相続人の亡くなった後の日づけの戸籍謄本であることが必要です。
※金融機関に提出する戸籍謄本や裁判所に提出する戸籍謄本については、期限が定められてる場合もありますので、各金融機関、管轄裁判所に問い合わせてください。
相続関係説明図
相続関係説明図を相続登記の申請時に法務局に提出することにより戸籍謄本は還付されます。戸籍謄本は不動産名義変更による相続登記以外でも金融機関の相続手続き等でも必要になります。
戸籍謄本も人によっては、死亡から出生までの戸籍の通数が10枚を超える場合もあります。
各相続手続きの都度、戸籍を取得すれば費用と手間がかかります。そのため戸籍等は原本を還付する手続きをするのが一般的です。
相続関係説明図は法定されているわけではありませんが、実務慣習があるのでそれに従い作成することになります。
- 相続を証する書面として提供する戸籍謄本の原本還付を請求する場合、当該書面の謄本に代え、相続関係説明図を提出して原本還付の請求をすることができる。
- 相続関係説明図の提出によって原本還付を請求することができるのは、戸籍・除籍謄本のみであり、遺産分割協議書等の原本還付の請求をするためには、その謄本を提出する必要がある。
相続による不動産の名義変更(相続登記)に権利証は必要か
相続による所有権移転登記をする場合、申請情報と併せて被相続人の登記識別情報を提供することを要しない。
登記識別情報(登記済証)は権利者と義務者の共同申請による登記において提供するものであるため不要です(不動産登記法22条)
相続登記は単独で申請することができるためです。そのため相続登記には登記の正確性を担保するため公務員が職務上作成した情報(戸籍謄本等)を提供することを要します。
被相続人が購入してから、数十年経過してる場合は、権利証を紛失してる場合もありますが、権利証が無くても、相続による不動産名義変更は可能です。