相続が発生すると相続放棄をしない限り、その財産を誰にどのような配分で引き渡すか決めなくてはなりません。
相続人が一人しかいない場合はトラブルになりませんが、相続人が複数いる場合きちんと決めておかないと数年なった後に蒸し返されトラブルになることがあります。
それを防ぐために相続人全員で合意した文章である遺産分割協議書を作成する必要が出てきます。
遺産分割協議書の作り方
遺産分割協議書は遺言書と異なり書式や用紙に厳格な定めはありません。したがって手書きでもパソコンでも書くことが可能です。しかし書き方には最低限記載しないといけないことやトラブルを防ぐために入れておいた方が良い文言があります。
それを具体的に紹介していきます。
冒頭部分の表記
まず「遺産分割協議書」と大きめの文字で書きます。その後被相続人の名前、最後の住所、最後の本籍を載せます。
不動産の表示
遺産に不動産がある場合、その不動産の正式な表示通りに記載しなくてはなりません。法務局で登記簿謄本を取得し一言一句コピーして書くようにしましょう。
万が一謄本に記載された正式な住所を書かなかった場合、登記できない(正式に自分のものとしての権利がない)という状態になってしまうので注意が必要です。
預貯金の場合
預貯金や株式の場合、金融機関名、口座番号、支店名を細かく記載する必要があります。
仮に被相続人がみずほ銀行に200万円、三井住友銀行に300万円持っていて相続人が2人(配偶者と子)いたとします。法定相続分通りに分けるとき配偶者250万円、子250万円となります。
均等に分ける場合、配偶者がみずほ銀行の100万円・三井住友銀行の150万円を取得、子がみずほ銀行の100万円・三井住友銀行の150万円を取得としたいところですが、配偶者、子がそれぞれ相続する口座の銀行口座を持っていないといけません。
そのため各口座の普通預金残高を均等に分けてしまうと複雑になります。したがって実務上は配偶者がみずほ銀行の200万円・三井住友銀行の50万円を取得、子が三井住友銀行の250万円を取得と分けます。
割印を押す
遺産分割協議書が単純な場合は1枚の紙に収まりますが、大抵は2枚以上になることが多いです。その際必ず割印を押します。
後日財産があった場合の取り扱い
後日財産が見つかった場合は、その財産が見つかり次第再協議をするもしくは相続人の誰かが受け取るということを明記する必要があります。再協議の場合は平等にはなりますが再度相続人全員の合意が必要なため手続きとしては面倒です。
遺産分割協議書は川口相続センターへ
相続人が一人である時や、遺言で全ての財産を配偶者に渡すと記載されており、その他の相続人が高齢の親のみで親がその遺言に従う場合、遺産分割協議は容易に進めることができます。
しかしながら相続人が複数いたり、数次相続・代襲相続と相続が複雑な場合、相続人同士の仲が非常に悪い場合は遺産分割協議をすることができなかったり、作成したとしてもトラブルになるケースがあります。
その際素人が作ったものですと他の相続人からクレームがきたり、遺産分割協議書作成のやり直しになる可能性が非常に高いです。
円滑かつ平穏に遺産分割協議を終えたいのであれば、相続のプロである司法書士に依頼することをお勧めします。
川口相続センターでは遺産分割協議書作成のみも受け付けていますので、少しでも疑問やお悩みがありましたらお気軽にご相談ください。