遺言執行者に就任した場合、報酬はどうなるのでしょうか?今回は遺言執行者の報酬について詳しくまとめました。
遺言で定められている場合
遺言執行者の報酬は遺言で定められている場合、その遺言に従います。遺言執行者が受け取る報酬は民法の準用により報酬は後払いです。途中で遺言執行者の職務を放棄した場合報酬は受けとれません。
遺言で定められていない場合
遺言ないで報酬が決まっていない場合は、家庭裁判所が相続財産の状況やその他の事情によって遺言執行者の報酬を定めることができます。申立権者は遺言執行者となります。この審判に対しては遺言執行者も相続人も即時抗告をすることはできません。
(即時抗告)第二百十四条 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。一 遺言の確認の審判 利害関係人二 遺言の確認の申立てを却下する審判 遺言に立ち会った証人及び利害関係人三 遺言執行者の選任の申立てを却下する審判 利害関係人四 遺言執行者の解任の審判 遺言執行者五 遺言執行者の解任の申立てを却下する審判 利害関係人六 遺言執行者の辞任についての許可の申立てを却下する審判 申立人七 負担付遺贈に係る遺言の取消しの審判 受遺者その他の利害関係人(申立人を除く。)八 負担付遺贈に係る遺言の取消しの申立てを却下する審判 相続人
遺言執行者の報酬
遺言執行者に対しての報酬は法律等で特段定められているわけではございません。では一体どのような報酬金額が適正なのでしょうか?
遺言執行者は資格を有している人、ない人関わらず関係なくなることができます。ただし遺言執行者の人の資格によって報酬の相場が変わる傾向があります。例えば弁護士が遺言執行者になる場合、かつての報酬規定では経済的利益の金額が300万円以下の場合、報酬30万円、300万以上3000万円以下の場合、報酬24万円+2%と決められておりました。
弁護士が遺言執行者に就く場合は比較的相場は高くなりますが、万が一相続人同士で揉めた場合に間に入って解決にもっていくことができます。
銀行に依頼した場合は、銀行の職員が遺言執行者になるというわけではなく提携先の士業の先生方に依頼をするため仲介手数料が上乗せされ高くなる傾向にあります。
また資産の額によって金額が変わっていくのが通例であり、1000万円程度の遺産であれば、有資格者に依頼した場合、30万円前後が相場になります。相続人など一般の人がなった場合、その相場に基づき20〜30万円程度になることが多いです。
相続税の申告
相続税が発生する場合、相続財産から遺言執行者の費用を引いた金額で計算をしたくなりますが、遺言執行者の報酬は被相続人の債務ではないので、控除することができません。相続税を計算する際に注意が必要です。