遺産分割で定めた債務が履行されないケース

相続財産は大きく分けてプラスのものとマイナスのものがあります。プラスのものは不動産や現金、株といった価値のあるものです。一方で被相続人が支払わなければならなかった税金や借金などはマイナスの財産です。

一般的にマイナスの財産が多い場合は相続放棄といい、相続財産を全て手放すことにより、借金も引き継がずに済みます。

相続財産がプラスのものだけであればいいのですが、実際の現実問題として相続財産がマイナスのものとプラスのものが混ざっているのが通常です。

債務負担

遺産分割協議において共同相続人の一人、もしくは数人が遺産の大半を取得する代わりに一定の債務を負担するケースはよくあります。

債務を約束通り負担してくれれば、問題ないのですがそうもいかないケースもあります。その場合他の共同相続人からは遺産分割をやり直して他の共同相続人に遺産を取得させ債務を負担させようという話がでてくるでしょう。しかしこのようなケースで遺産分割協議をやり直すことができるのでしょうか?

債務不履行解除

平成元年に最高裁で、遺産分割協議での合意に反して共同相続人の一人が老母と同居せず介護をしない場合であっても他の共同相続人は民法541条による解除ができないという判例がでました。

第541条(催告による解除)

当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。

この判例では、遺産分割はその性質上、協議が成立した時点で終了するものであり、民法541条が適用されてしまうと法的安定性が著しく欠けてしまうため、上記のような判決をした経緯があります。

また共同相続人全員が遺産分割のやり直しに関して合意した場合は、遺産分割協議の一部もしくは全てを解除し遺産分割のやり直しをすることは認められております。しかし一人でも反対があった場合はやり直しできません。

そのため「相続債務の全てをXが取得しXは平成30年4月30日限り、相続債務を履行する。」のような条文の定め方ですと協議時に相続人の間で詐欺脅迫など意思表示に問題があるケース以外は認められません。

解除条件

遺産分割協議時に条件を設定することも可能です。※ここでの条件とは遺産分割協議書の法的効力を将来発生するか否かわからない不確実な事実の成否にかからせる合意をいいます。

例えばあらかじめ共同相続人同士で一定の解除事由が生じた場合に、当該遺産分割協議書の効力を失わせることを定めておくことで、その事象が起きた際に遺産分割協議書の効力を消失させ、やり直しすることができます。

なおこの条件はなんでもいいわけではありません。過去の判例で「情誼関係が破綻した場合、遺産分割協議は解除される」という解除条件は無効とされました。解除の条件は一義的かつ明確である必要があります。

このように遺産分協議書作成一つをとっても文言や条文の書き方を間違えると大きなトラブルになってしまうケースがあります。相続のプロに依頼するのが一番賢明と言えるでしょう。

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