遺言書の効力
遺言書を作成したが、先に受遺者が亡くなった、遺言者よりも先に遺言財産を受け取る者が死亡した場合の遺言の効力はどうなるのでしょう。
例 遺言者AはBに対して財産をすべて遺言によって承継させる遺言書を作成しました。
しかし、BはAより先に死亡しました。この場合の遺言の効力は生じないことになります。
1項 遺贈は遺言者の死亡以前に受遺者が志望したときは、その効力を生じない。
2項 停止条付の遺贈については、受遺者がぞの条件の成就前に死亡した時も同様とする。
ただし、受遺者がその遺言に別段の意思表示をしたときは、その意志に従う。
上記の場合は、亡くなったAの財産は相続人に承継されます。
遺贈が、その効力を生じないとき、又は放棄によってその効力を失ったときは、受遺者が受けるべきであったものは、相続人に帰属する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思表示をしたときは、その意志に従う。
民法995条ただし書きにおいて、「ただし、遺言者がその遺言に別段の意志表示をしたときはその意志に従う」別段の意思表示が遺言書にあればその内容に従うことになります。
同時存在の原則
遺言の内容は特定の人に対してされます、受遺者となるべき者が死亡した場合は、その者の相続人が代襲相続することはなく、遺言が効力を発生する前に受遺者が死亡したときは遺言は効力を生じないのが原則です。
遺贈は、その目的である権利が遺言者死亡の時において相続財産に属しなかったときは、租も効力を生じない。ただし、その権利が相続財産に属するかどうかに関わらず、これを遺贈の目的としたものと認められるときは、この限りではない。
1項 相続財産に属しない権利を目的とする遺贈が前条ただし書の規定により有効であるときは、遺贈義務者はその権利を取得して受遺者に移転する義務を負う。
2項 前項の場合において、同項に規定する権利を取得することができないとき、又はこれを取得するについて過分の費用を要するときは、遺贈義務者はその価額を弁償しなければならない。ただし遺言者がその遺言に別段の意思表示をしたときは、その意志に従う。